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この人に聞きたい 「健康の秘訣は『上体温(じょうたいおん)』を意識した生活」 芝大門いまづクリニック院長 今津嘉宏さん

今回は芝大門いまづクリニック院長の今津嘉宏先生にお話を伺いました。外科の第一線で活躍され、「漢方医学」を基礎から徹底的に学んだという今津先生。クリニックでは外科医に加えて、漢方専門医としても体質改善や食事指導といった一人ひとりの患者さんに寄り添った治療に取り組んでおられます。


今津嘉宏さん

外科医の道へ

私は四人兄弟の次男として名古屋で生まれました。父は外科医でしたが、私は高校3年生まで画家になるために美大へ進学するつもりでした。しかし、母親に「あなたの尊敬している手塚治虫は医者の免許を持っているでしょ。医者の免許がないと画家になれないのよ」と諭されたのです。純粋に母の言葉を受け入れた私は、浪人して医学部に入りました。

絵の道に進みたいからと医師免許を取りましたが、いざ外科医の道に進んでみると難なく手術ができてしまいました。これは親からもらった才能なので、両親に「こんな才能を授けてくれてありがとう」と感謝しています。


漢方との出会い

医師になって7年目のときに済生会中央病院に赴任し、がん治療に携わりました。ここでは検査から手術、抗がん剤、放射線治療などすべてを初診の医師が担当していました。

がんは今でこそ7割以上が治りますが、当時は腹腔鏡手術や内視鏡でがんを削り取る治療を行ってもあまり良くならない患者さんたちがいて、がんは死の病だと感じていました。これを打破しようと「生きる医学」である産科を学ぶことにしたのですが、そのときに漢方も学ぶ機会がありました。

その頃の大学病院では、漢方は科学的ではないし論理的でもないとしてほとんど無視されていました。しかし、現代医療では改善が難しい腸閉塞に伴う腹部膨満感に漢方薬が有効だと聞き、さっそく試したところ見事に改善されたのです。そこで、私の専門であるがん診療にも漢方を取り入れることにしました。

実は、父も兄も外科医でありながら治療に漢方薬を用いていて、論文まで書いていたことが分かったんです。漢方との出会いには運命的なものを感じますね。

...続きは遊和42号でご覧ください。

今津嘉宏さん

PROFILE

今津 嘉宏(いまづ よしひろ)

芝大門いまづクリニック院長。藤田保健衛生大学医学部卒業。慶應義塾大学医学部外科助手、同大学医学部漢方医学センター助教、「麻布ミューズクリニック」院長などを歴任後、東京都港区に「芝大門いまづクリニック」を開院。病状のみでなく、生活環境や性格にも留意し、患者の心に寄り添う医療を実践している。
テレビ朝日「林修の今でしょ!講座」、テレビ東京「ソレダメ!あなたの常識は非常識!?」などメディア出演多数。
主な著書に「89.8%の病気を防ぐ上体温のすすめ」「115歳が見えてくるちょい足し健康法」「風邪予防、虚弱体質改善から始める最強の免疫力」「長生き朝ごはん」(ワニブックス)、「ねころんで読める漢方薬」(メディカ出版)など多数。

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