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この人に聞きたい 「心臓を守り天寿を全うする」 順天堂大学医学部特任教授・心臓血管外科医 天野篤さん

今回お話をお聞きしたのは、2012年に上皇陛下(当時の天皇陛下)の心臓手術を執刀された天野篤先生です。順天堂大学の医学部教授として定年を迎えた後も、心臓手術の現場で患者さんの期待に応え続けていらっしゃいます。


心臓外科医になる

親の伯父が勤務医だったこともあり、子どもの頃から医師という職業には親近感を抱いていました。小中学校の成績が良かったので母親から勧められ、また高校2年生のときに父親の心臓病が発覚して、医師を目指すようになりました。それまで高校では勉強に身が入らず、スキーやラジオの深夜放送に没頭していたため医学部に合格するまで三浪しました。

何とか進学が決まると医師になる覚悟も定まって、「一日も早く一人前の医師になろう」という信念が強くなったと思います。

天野篤さん

「一途一心」の心で

研修医時代に「外科医の腕は執刀した手術数に比例する」と助言されたこともあって、出遅れた3年を取り戻そうと人の3倍働くことを意識しました。その結果、これまで9000例以上の患者さんを手術してきたと思います。

患者さんが健康を取り戻す姿だけをイメージして、あらゆる準備を怠らず、今できる最高の医療を提供することを目指しています。

私は「一途一心」という言葉を大切にしています。一つのことにひたむきに取り組み、コツコツ努力を重ねて信じた道を突き進むと、いつもの自分以上の力が出せることがあります。

...続きは遊和50号でご覧ください。

天野篤さん

PROFILE

天野 篤(あまの あつし)PROFILE

順天堂大学医学部特任教授。心臓血管外科医。1955年埼玉県生まれ。1983年日本大学医学部卒業後、現・NTT東日本関東病院で臨床研修、亀田総合病院研修医となる。同心臓血管外科医長を経て、新東京病院心臓血管外科科長、同部長を務める。1997年新東京病院での年間手術症例数が493例となり、冠動脈バイパス手術の症例数で日本一となる。2001年昭和大学横浜市北部病院循環器センター長・教授を経て、2002年順天堂大学医学部心臓血管外科教授に就任。2012年東京大学医学部附属病院で行われた天皇陛下(現・上皇陛下)の冠動脈バイパス手術を執刀。2016年より三年間順天堂大学医学部附属順天堂医院院長を務める。心臓を動かした状態で行う「オフポンプ術」の第一人者で、これまでに執刀した手術は9000例に及び、成功率は99.5%以上。松戸市民栄誉賞、蓮田市民栄誉賞、埼玉文化賞受賞。著書に『一途一心、命をつなぐ』(飛鳥新社)、『若さは心臓から築く 新型コロナ時代の100年人生の迎え方』(講談社ビーシー/講談社)、『天職』(プレジデント社)など多数。

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