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この人に聞きたい 「最高の『命の食事』でがんを減らす」 医学博士・乳腺専門医 南雲吉則さん

今回は南雲吉則先生にお話を伺いました。乳房専門のクリニックで診察や手術を行う傍ら、「30年でがん死亡者数を半減させる」ことを人生の使命と確信され、正しい食習慣と生活習慣を提唱していらっしゃいます。先生自らもその内容を実践することで、今年66歳になられるとは思えないほど若々しくハツラツとされていました。


南雲吉則さん

父を尊敬し形成外科へ

実家は江戸時代から続く群馬の薬問屋で、曾祖父の代で医家に変わりました。南雲家では長男の名前に「吉」を付けて家業を継ぐという暗黙の了解があり、私も子どもの頃から医者になろうと思っていました。

私が一番影響を受けたのは父です。形成外科もなかった時代に、戦傷者や被爆者の傷を治すために沖縄や韓国へ行って再建治療をしていました。医療奉仕をしていた父を尊敬し跡を継ぎたいという気持ちがあって、大学卒業後は東京女子医科大学の形成外科に進みました。

当時の形成外科は熱傷患者の治療がほとんどで、目の前で亡くなっていく患者さんを助けられない無力さを痛感し、外科や麻酔科も勉強しました。そのうちに、先輩から「お前は形成外科から来ているから再建ができるだろう?乳房再建をやるといい」といわれました。

当時乳がん治療の総本山だったがん研究会附属病院で1年努めて勉強し、母校の慈恵会医科大学乳房再建術をやるようになりました。

バストの専門医へ

ある日、今後何を専門としていこうかと書斎で考えていたら、突然スーッと光が降りてきて「女性の大切なバストの美容と健康と機能を守れ」「バストクリニックを開くんだ」と聞こえてきました。これまで頭の中で漠然と考えていたことが、アイデアとして一つの目標にまとまった瞬間だったと思います。ひらめきですね。

そこで私は「バスト・クリニック」という書籍を書き、父の紹介で女性週刊誌に書籍広告を出しました。名刺サイズほどの広告でしたが、翌日には日本全国から多くの問い合わせが寄せられ、こりゃ大変だと東京の上野にバストクリニックを開業しました。さまざまな悩みをもつ患者さんが非常にたくさん来られました。

その後、病に倒れた父のクリニックを継ぎましたが、ストレスから酒にタバコ、暴飲暴食、夜更かしをして体重が80kgを超えてしまいました。不整脈が起こるようになり、腰やひざも痛んで「このままでは長生きできない」とダイエット法を探しました。いろいろと試しても効果がなく、 7年間苦しんだ末にたどり着いたのが空腹の時間をしっかりつくる1日1食という方法でした。この方法を取り入れると体重は60kgまで減り、毎日活力にあふれてきました...。

...続きは遊和40号でご覧ください。

南雲吉則さん

PROFILE

南雲 吉則(なぐも よしのり)

ナグモクリニック総院長。医学博士。乳腺専門医。
1955年生まれ。東京慈恵医科大学卒業後、東京女子医科大学形成外科、癌研究会付属病院外科、東京慈恵医科大学第一外科乳腺外来医長を経て、乳房専門の ナグモクリニックを開業。
現在、医療法人社団ナグモ会理事長、ナグモクリニック総院長として、全国4カ所の病院で乳がん手術、乳房の美容・再建手術を行う。近年は「命の食事プロジェクト」と 銘打ち、がんから命を救う食事と生活の指導・講演にも力を注ぐ。
『新版大切な人をがんから守るため今できること命の食事』(主婦の友社)、『「空腹」が人を健康にする』(サンマーク出版)、『大還暦60歳から本気で若返る100の方法』(大和書房) など著書多数。

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