古代人も悩んだ?動脈硬化
「人は血管から老いる」といわれるように、動脈硬化という言葉は老化の代名詞となっています。シワや白髪などの老化現象とは異なり、血管のしなやかさが低下し硬くなる動脈硬化は、心筋梗塞や脳卒中といった病気を招くことになります。
この動脈硬化は太古の昔から存在し、古代エジプトにおけるミイラの調査では3人に1人の割合で起こっていたことが分かっています。当時ミイラにされる人は身分が高かったため、庶民とは違い贅沢なご馳走を食べていたのではないかと推測されています。ちなみに、現代ではアルコールの摂りすぎや油ものの食べすぎ、野菜や魚を食べないといった人ほど、血管の老化スピードが速いといわれています。今も昔も、動脈硬化は食生活の影響が大きいようです。
動脈硬化は足で分かる
ほとんどの場合、動脈硬化は自覚症状がないため放置されがちですが、足に起こる動脈硬化は比較的分かりやすいといわれています。
足の血管が狭くなって血液の流れが悪くなると、多くの血液を必要とする歩行時に筋肉で酸欠が起こり痛みが出てきます。具体的には、一定の距離を歩くとふくらはぎが痛む、少し休むと足の痛みが引く、上り階段がつらいなどです。
一般的には動脈硬化の進行状況には左右差があるので、足の太さや爪が伸びる速さ、皮膚の温度に違いが出てきます。血流が悪い人の足は、むくんで太くなる、爪が伸びるのが遅い、冷たいなどの症状がみられます。また、足の血管に動脈硬化が起きていると、心臓や脳の血管も硬くなっている可能性が高いといわれています。
なぜ血管は硬くなる?
血管が硬くなる要因というと、血中のコレステロール値を思い浮かべる人が多いでしょう。しかし、コレステロール値が高くなくても動脈硬化になる人は多いようです。それは、血液の流れや高血糖、酸化(サビ)など血管の老化にはさまざまな促進要因があるからです。
最近では、血管がいつまでもゴムのような柔軟性を保つために、自分自身でNO(一酸化窒素)という物質をつくっていることが分かってきました。
このNOは血流が刺激となって分泌されるので、ストレスや冷えなどで血流の悪い状態が続くと分泌されにくくなります…