消化器はひとつの臓器
「皿」という漢字に点を付けると「血」になります。まるで、食べた物が血液や体を作っていることを表しているようです。もちろん、食べた物がそのまま血肉になるのではなく、消化されて栄養となることで体を構成します。
唾液や胃液などの消化液は1日7~10ℓも分泌され、口腔で炭水化物、胃でタンパク質、小腸で脂質の消化が順番に開始されていきます。脂質の消化は最後に行われるため、油っこい食事は消化器の負担となるのです。
また、消化器は互いに関係していて、胃腸の消化力が低下すると口内炎ができたり、あまり噛まずに食べていると腸の負担が増えたりすることが分かっています。消化器はひとつの大きな臓器ともいえます。
唾液をたっぷり作る
唾液には消化だけでなく、飲み込みをよくしたり虫歯を防いだりとさまざまな働きがあります。
消化液の分泌は自律神経が行っているので、私たちの意思ではコントロールできませんが、唾液だけは噛む回数を増やすことによって分泌を高められます。
しかし、加齢に伴って唾液の分泌量は減るため、高齢になるほど味覚異常や飲食物でむせるなどの症状が起こりやすくなります。柔らかい物でもすぐには飲み込まず、左右のバランスをとりながら噛む回数を意識して増やしましょう。
食べる機能を維持すると、認知症などにもよいことが分かっています。口を動かすことは、手足を動かすことと同じくらい重要なのです…