「乳がん」を他人事としないために

乳がんは女性の死亡率1位

乳がんは日本の女性がもっともなりやすいがんで、現在では20人に1人の割合にまで増えています。
発症年齢は30代後半から急増し、40代後半が最も多いと言われ、毎年約4万人もの女性が新たに乳がんと診断されていますが、 このような増加の背景には、様々な原因が重なっています。
まず、乳がんの8割は女性ホルモンであるエストロゲンへの感受性があり、それらの乳がん細胞はエストロゲンを栄養として増殖します。 したがって初潮が早い、閉経がおそい、出産経験がない、未婚、肥満など、エストロゲンが体の中に高濃度に存在する時期の長さが 乳がんにかかるリスクに直接つながっているので、女性の社会進出や食生活の西洋化に伴う体格の変化なども罹患数の増加には 関係が深いと思われます。

もちろんこれらのリスクは相対的なものですから、当てはまるから必ず乳がんにかかるとは限りませんが、まったく当てはまらなくても 乳がんにかかるかもしれないことを、まず知っておかなければなりません。
極端な話ですが、乳頭周囲にほんの少しだけ乳腺を持っている男性でも、まれながら乳がんを生じる場合があることからも、 女性はリスクの有無にかかわらず、定期的に検診を受ける必要があるというわけです。

「乳がん」を他人事としないために

※乳がんは年々増えています※
日本では、乳がんにかかる女性は年々増えており、今では年間約4万人の女性がかかると推定されています。
また亡くなる方も、2008年には1万1千人を超ええ、ここ50年間で7倍近くに増えています。

触診では早期発見は無理

日本の女性は健康のためにジム通いやサプリメントには高額の支出をいといませんが、不思議と検診にはお金をかけたがらない方が 多いようです。
20人に1人といえば、たとえば小学校のクラスで1人か2人はお母さんが乳がん患者、というくらいの確率だというのにです。

触診はすでにしこりになった乳がん(浸潤がん)を見つける方法のひとつではありますが、しこりになる前の乳がん(非浸潤がん)を 発見するためには意味が少ないといわれています。
この時期の乳がんは、まだリンパ節や他の臓器への転移を起こす能力がないので、この段階で発見し、治療を受ければ完治が望める、 すなわち非常に治療成績がよい(あまり怖がらなくていい)乳がんなのです。

より確実に乳がんを早期発見するためには、マンモグラフィーの他にエコー検査も合わせた検診を受けていただくことですが、 何しろマンモグラフィー検診だけでも受診率はまだ10%程度なので、まずは対象年齢の女性がマンモグラフィー検診をきちんと 受けるような社会になることが先決でしょう。

社会的背景の変化によって乳がんの罹患率(発生率)が増えてゆくのは仕方のないことですが、大事なのは、早期発見によって 死亡率を下げる努力をすることです。
一般に検診率が60%を越えると死亡率は減ってくるといわれており、アメリカやイギリスなどの欧米諸国では、マンモグラフィー検診の 普及を国を挙げて行った結果、70~80%の検診率を実現しているため、乳がんの罹患率は増えていますが、死亡率は減ってきています。
これに対して、日本はいまだに罹患率も死亡率も共に増えていますが、ここには検診が普及していないために早期発見の機会を逃しているという、 とても残念な現実が隠されているのです。

乳がんは早期に治療をすれば確実に治せる病気です。発見が遅れて転移する事が怖いのであって、発見すること自体が怖いのでは ありません。
また最近では乳房温存術やいろいろな乳房再建法の選択肢も広がり、きれいな術後乳房を手に入れることができるようになりました。 早期発見・早期治療の機会を逃して大切な乳房を失うようなことにならないためにも、年に一度マンモグラフィーやエコー検査による 乳がん検診をうけましょう。

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