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宗次郎さん
世界屈指のオカリナ奏者、宗次郎さん。多くの人が癒しを求める時代に、彼のオカリナの音色は、「おかえり」と迎えてくれる故郷のような、そんな懐かしさと温かさを奏でています。
今から33年前、栃木県の山の中でオカリナを制作し演奏している人(火山久氏)がいると兄から聞き連れて行ってもらった時にオカリナの音色を初めて聞きました。世の中にはこんなに良い音色があるのだと驚きました。耳からというよりも肌に気持ちよく染み込んでくるような透明感のある、それでいて密度の濃い音色で心を打つものがありました。当時は、‘75年頃で自分は20歳くらいでしたが、人間の心がすさみ始めていると感じていて、人が忘れかけたものを思い起こさせてくれるのがこのオカリナの音だなと…。音そのものにメッセージがあり、この音を聞いてもらえれば、人々の意識が変わるのではと思いました。
影響を受けた曲は日本の民謡や世界の民謡
チェロのパブロ・カザルス(※)の「鳥の歌」が好きです。この曲は、平和の象徴として演奏される曲で、音楽家の目指すところ、音楽の平和への力を教えてくれました。オカリナの土の響きは、平和を訴えるのにとても適していると思います。
民族的な音楽を基礎として芸術的なものへと高め、自分の世界を築いていった音楽家に魅力を感じます。日本の民謡も世界の民謡も好きです。民衆の中にある音楽は大切だと思います。世界の何処に行っても、民謡の中には素朴で綺麗な曲が必ずあるものです。
静かな森の中、心地よいオカリナの響きを探す
作曲をする場所は、仕事場も自宅も森の中です。夜になって外に出て自然の音しかしない時に、この静かな森の中で自分が出していい音はどんな音かな、心地よい音はどんな音だろうと思いながら作ります。列車や飛行機に乗っていると、窓から風景が移りすぎていきます。そんな時、曲が浮かんでくることもあります。オカリナの響きを大切にし、響きを生かしたいという思いで作曲しています。
メロディが自分の体を通して濾過される
フィンランドの冷たい空気の中にいる感じであったり、南米のフォルクローレ的なメロディであったり、クラシック、日本の唱歌など…。何もないところから創作するというより、自分が色々と影響を受けてきた音楽が、自分の体を通して濾過されて新たなメロディとなって出てくるような感覚。ちょうど、森に降った雨が大地に染み込み数十年を経て湧き水になり溢れ出のに似ています。
また、世界や日本の様々なところに足を運んだこと、山村で暮らしていること、草取りや畑仕事。その全てが音の中に含まれていくような、誇りを持った音にしたいと思います。
※20世紀最大のチェリスト。スペインのフランコ政権に抗議しフランスへ亡命、後にプエルトリコに移住。ホワイトハウスや国連本部において演奏し、特に国連で「私の生まれ故郷カタロニアの鳥は、ピース、ピース(英語の平和)と鳴くのです。」と語り演奏をしたエピソードは有名。









