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日野原 重明さん
聖路加国際病院 理事長
医師
人間ドック優等生は健康?
病気であっても健康感を持つことが大切です。
幸福感と健康感とはとても似ているの。色々な勲章をもらい、土地や株をたくさん持てば豊かで幸福かというと、
まだ足りない、もっと欲しいとなりますね。株が全部ダメになったりすれば、どうでしょうか。それは欲望でしょう。
戦時中は食べるものもなくて、白いご飯をいただいただけでも本当に有難うという気持ちを持ちました。
貧しい中にも幸福感があったのです。
今は、精密検査技術も優れていて、人間ドックで調べて申し分ない人なんて、50歳以上になると誰もいません。
65歳以上になると脳のあちらこちらに微小の梗塞や、前立腺や内臓のどこかに所見がある方が多いのです。
乳がんなども早期に発見できればちゃんと手術もできるし、化学療法もありますし。
糖尿病でも食養生をしたり、インスリンを打てば、まったく普通の仕事ができます。精密な検査をするほど
何かの故障は必ず見つかります。小さな欠陥が発見されても、治療はお医者さんにまかせて、病気のことを忘れて
生活をするのが良いですね。
病気があっても朝から爽やかな気分を持てる人は健康な人です。僕だって動脈硬化くらいはあります。
でも、目醒めた時に「疲れた」「眠い」というのがなくてパッと起きられます。今日は小学校に教えに行くぞ、
孫が帰って音楽会だ、と思うだけで気持ちが爽やかになります。
自分の趣味や勉強もする。そんな人にはものすごい健康感と幸福感があります。
逆に人間ドックでみつかった病気を気にして、仕事を辞めたり、身体を動かさなくなる人は要注意です。
あまり安静にし過ぎると体はダメになり、廃用(不用)症候群になってしまいます。体を動かさないと、
骨粗鬆症や関節が動かなくなる危険があるので、安静がよいというのは医学的には古い考え方です。
熱が出てじっと寝ていると骨や筋肉がダメになります。風邪を引いたら風呂に入らないのではなく、
風呂で体を温めてサッパリする方がいいんですよ。
長寿の秘訣は食事術
皆さんが長生きできないのは3000円のバイキングで4500円分食べるからですよ。
1500円分ぐらいが丁度良いですよ(笑)。
私の場合、戦争中は食べられず、肥満や糖尿病が回避できました。皆さんは60歳を過ぎても食事が若いときの
惰性で行くでしょう。昔のように激しい労働や運動をしないのにお酒と食事の量は同じということはないですか?
だから60歳を過ぎたら食事は1割、70歳で2割少なくするといいです。
私などは3割減で、1日に1300kカロリーにしています。朝は忙しいのでコーヒーとジュースにオリーブ油を テーブルスプーン一杯分垂らしたもの、そして果実を少し食べるくらいです。お昼は牛乳とクッキー2枚、 そして夜は食事をします。夕食には800kカロリーは摂れます。脂のないステーキでも2日に1度食べます。 魚は毎日。あとはお皿いっぱいの色のついたサラダにオリーブのドレッシング、ご飯は2/3膳。 それで30歳の時と同じ今の体重が維持できます。
でも熱中して仕事をしていると空腹感はないんですよ。皆さんが、お腹がすぐ空いたというのは熱中して
仕事をしてないからなの。やりたい仕事、作品を創るとか本を読むとか、ボランティアの仕事をしているとすぐ昼です。
人により昼は十分に食べて夜は少なくということもできます。毎日体重を測るといいのです。
また、最近は家族で食事をしない家庭が増えていて、それが問題だと感じています。
子供は塾で弁当、お父さんは宴会で食事。これはダメです。少なくとも日曜日の夕方くらいは家族が一緒に食事を摂るようにし
ましょう。物理的に一緒に生活することが精神的な輪を家庭の中に広めるための助けになります。







