珊瑚水木(さんごみずき)
珊瑚水木(さんごみずき)の枝は秋冬花装飾で花々に添えられます。色々な枝の中でも、私は好んで珊瑚水木を飾ります。クリスマスやお正月の花飾りにも欠かせません。
「枝」は、勝利者に対する敬意を意味すると言われ、赤は愛の色、また多くの民族では「生」の色とされるように、「枝」と「赤」は古来さまざまな象徴的意味を持っているようです。
私が好んで珊瑚水木を飾るようになったきっかけは、祖母のうつ病が発症してからです。幼少の頃から祖母のことが大好きだった私は、病気で無口になった祖母を見るのが辛くて仕方ありませんでした。花が大好きな祖母でしたが、発症してからというもの次第に家の中から花が消えていきました。
数年前の年の瀬、祖母が突然「お正月のお花を飾らなきゃ」と言いました。
発症以来、話すことも、大好きな花のことも忘れていた祖母の言葉に驚き、「一緒に活けよう」と、3時間ほどかけてお正月の花を活けました。活けている最中の祖母は、以前の元気で聡明な女性へと戻っていたのです。このとき花に添えた枝が珊瑚水木でした。
この日を境に徐々に回復に向かった祖母を見ていると、植物の持つ力の偉大さを感じずにはいられません。それからというもの、この時期には毎年自宅に珊瑚水木を飾ります。
私はこの赤い枝「珊瑚水木」と病に勝利した祖母を重ね合わせるようになり、この枝は病に打ち勝つ「強さへの敬意」の象徴となったのです。
枝をのびのびと活けてみてください。清潔な水で長期間飾ると葉を出すことがあります。葉が生えたとき不思議と笑みがこぼれることでしょう。









